言葉の遅れの療育って?
《言葉の遅れのお悩み》「2歳ですがはっきり話せる言葉がありません」
「語彙が少なく、単語の一部しか話せません」
「言葉を話せるようになるための接し方を教えてほしい」
といったご相談で来室されます。
《療育は何をするの?》
初回相談では、困っている事や今までの検診での様子等をおききして「国リハ式S-S法言語発達遅滞検査」という検査で言語の発達年齢を調べます。
私と一緒にやりとりができるか、対人関係などの様子もみせてもらいます。
単語、2語文、3語文、会話、それぞれ話せるようになるためには準備段階があります。
吹くことができる、指差しができる、聞いた内容を理解することができる、模倣することができるなど、話すためには前段階として話す以外の様々な準備が必要です。
課題の階段(プログラム)を細かく設定して、1段ずつ上がることで「できない」を「できる」に変えることができます。
苦手な面に目が向きがちですが、お子さんが持っている得意な力、今できていることが実は手がかりになり、その能力を使って多方面に伸ばしていくことができます。
お母さん、お父さんの声かけ、やりとりが1番お子さんの発達を促します。
家で今日から少しずつできることをお伝えします。お子さんが楽しんで取り組めたかどうかが大事なので、家での様子を教えていただきながらステップアップをめざします。
《療育を受けて1年で伸びた男の子》
初回相談でK式発達検査の結果を持って相談に来られた例を紹介します。
(K式発達検査とは自治体や療育センター等で無料で受けることができ、今のお子様の発達年齢や、得意・不得意な面を教えてもらえるものです)
初回相談時 | 療育を受けて1年後 | |
実際の年齢 | 2才4か月 | 3才4か月 |
姿勢・運動 | 1才8か月 | 3才1か月 |
認知・適応 | 1才3か月 | 3才0か月 |
言語・社会 | 10か月 | 3才3か月 |
対人関係は良好で、一つ一つの課題をニコニコしながら楽しんで受けてくれました。
お母さんには毎回、次までに家で取り組む内容をお伝えすると熱心に取り組んでくださり、やりとりの様子を詳しく報告してくれました。
バナナという、物には名前があるということがわからないと「バナナ」とは言えません。音声と「実物・写真・絵」が一致するようインプットを中心に、身の回りの語彙から増やしていきました。「〇〇はどれ?」の指差し応答も上手にできるようになってきた頃、「初めて単語が言えました!」とお母さんから喜びの連絡をいただきました。
名詞、動詞、形容詞など語彙が増えると2語文が出るようになり、聞いて覚えられる量が増えると3語文が話せるようになりました。
1年後の発達検査では療育センターの先生から「前回から非常によく伸びてきており標準域となりました」とほめてもらったそうです。
その後、不明瞭な発音の練習、助詞の練習、会話力の向上や音韻の練習、文字の読み書き練習も希望され5才0か月まで通われました。
このお子さんのように階段を順調に上がっていける場合もあれば、足踏みの状態が続いてもっともっと細かい階段の設定が必要なお子さんもいらっしゃいます。
どのお子さんもゆっくりでも確実に1歩ずつ進む力をもっています。
サポートできることがありましたらいつでもご連絡お待ちしております。
2024年01月06日 00:00